幼馴染はどこまでも俺様過保護


可愛い人か…

どうするかな…

せめて当日着る衣装だけでも分かるといいんだけどな…

いくつかデザインを考えるけど、納得行かなくてデザイン画をクシャクシャに丸めるゴミ箱へ入れる。溢れそうなゴミ箱を見て、やっぱり無理だと諦め、ネット販売用のアクセサリーを作る。

お手伝いの千代さんがゴミ箱のゴミを片付けに来てくれた。自分で掃除はするから良いと言っても、私の仕事ですからとやってくれる。

「本当に素敵ですね?私の娘も以前から欲しがっていたので、ネット販売が始まれば喜びますよ」

「千代さんの娘さんはいくつですか?」

「10月で20歳になります」

「え?じゃ、成人式ですね?」

「はい、お陰様で」

「私に何かにお祝いさせて下さい。何がいいかしら?」

千代さんはお祝いだなんて、と、遠慮をする。

いつも千代さんにはお世話になってるんだもん。うん、お礼をするチャンスよ!

「あっ成人式は娘さんお着物ですか?それともお洋服?」

「着物です。私の母の物で古い物ですが、私が着た着物で良いと娘が言うものですから」

祖母、母、娘の3代で同じ着物なんて素敵。

「ぜひ、私に帯飾りを作らせて下さい?」

「え?そんなことダメです。蒼海さんはお忙しいのに、隼翔さんに怒られてしまいます」

「大丈夫、私が作りたいの!お世話になってる千代さんの娘さんに、私がお祝いに作っても隼翔は怒ったりしないわ」

私は千代さんに今度着物と帯の写真を見せてと頼んでおいた。