幼馴染はどこまでも俺様過保護


大好きなプチモアのフルーツケーキを食べてご機嫌の私を家まで送った隼翔は「もう大人しくしてろよ?」と言って仕事へと向かった。

「蒼海ちゃんお帰り」

「ただいま。これ隼翔から」

そう言って隼翔が買ってくれたケーキを澪ちゃんに渡した。澪ちゃんはお茶にしようと言って、お手伝いの千代さんにケーキの箱を渡し、お茶をお願いした。

「蒼海ちゃんホントに食べないの?」

千代さんは紅茶と一緒に私にもケーキを用意してくれたが、私は食べて来たからと下げてもらった。

「うん。向こうで食べて来たから私は良い。そんなに食べれないもん」

澪ちゃんはここのケーキは美味しいから2つくらい平気で食べれるよ。と、言って美味しそうに食べている。私もここのケーキは大好きだが、そんなに食べれない。1つでじゅうぶんだ。

「ねぇー澪ちゃんお願いがあるんだけど…」

なに?と聞く澪ちゃんに、私は隼翔に借りているお金と、お世話になっている間の食費を、隼翔に渡して欲しいとお願いした。借りていたお金は隼翔は返さなくていいと言っていたが、そうもいかないと何度か返そうとしたが、隼翔は受け取ってくれなかった。食費についてもおば様に渡そうとしたが、既に断られている。

「えーやだよー!お兄ちゃんが受け取らない物を、私が預かったら怒られるもん!絶対やだ!それに食費なんてそんなに掛かんないじゃん!蒼海ちゃんの食べる量なんてしれてるんだから」

食べる量なんて関係ない。お世話になっているのに食費も出さないなんて申し訳ないじゃん…

「ねぇ?それより間に合いそう?」

「うん…数は随分出来たかな?」

「お兄ちゃんのは?」

澪ちゃんが言っているのは隼翔の婚約者がつける物の事を言っているのどろう。

「まだ…どんな物作ろうか迷ってる… どんな人でどんな物が好きか分からないし、当日はどんな物を着るか分からないもん… 澪ちゃんは会った事有るんだよね?どんな人?」

「うーん…どんな人か…見た目は小柄で可愛い感じかな?でも、ちょっと頑固かな?」と、澪ちゃんは笑う。

「可愛い感じか?…」

「蒼海ちゃんの好きな様に作ればいいんじゃない?蒼海ちゃんが作るものみんな素敵だもん」

「うん……」