幼馴染はどこまでも俺様過保護


「隼翔、結婚するの?」

「ああ、お世話になってる方達やお得意様達に紹介しようと思う」

おじ様も仕事ばかりしている隼翔を心配していた。そうなればおじ様も安心して体調も良くなるかもしれない。

「そっか、おめでとう!おじ様も安心できるね?良かった」

「まぁな。それでだ、婚約者にも蒼海の作るアクセサリーをつけて貰おうと思う」

え?婚約者に私のものを?

「ちょっとそれまずいよ?広告塔みたいになっちゃわない?隼翔の婚約者ならちゃんとした物付けたほうが良いよ?」

「俺が良いって言ってんるだから良いんだ!」

ぅわーどんだけ俺様なの?あり得ない。

こいつの奥さんになる人に同情するわ。

「じゃ、支度しろ!」

「はぁ?なにを?」

隼翔はここに私を一人で置いておくことは出来ないという。

「どうしてよ!?」

「あの女が、またいつ来るか分からないし、お前はまた寝る間も惜しんで作るだろ?飯もまともに食ってないようだからな?」

隼翔はテーブルに置かれた、食べかけの菓子パンを見る。

「そんな事ない!ちゃんと」

「じゃ、昨日は何食った?今日は?」

「えーと…パンを」

「パンはいつ食った話だ?」

「それは…」

「普段から食の少ない蒼海だ、何かに夢中になったら食わない事くらい分かる!だから、倒れる前に俺の家でしっかり管理させて貰う」

隼翔はなんでもお見通しなのか…

「それから暫く仕事も休んでもらうからな!」

「えー!!」

隼翔は副社長命令だという。そう言われると私は何も言えなくなる。会社では副社長と平社員の関係なのだから、出社するなと言われたら出社する訳にいかない。

と、いう訳で私はアクセサリーを作る事に専念する為、桜小路家にお世話になる事になったのだ。