幼馴染はどこまでも俺様過保護


「テメェー何やってるんだ!?蒼海に関わるなっていっただろ!?」


女は驚いてケースを持つ手を離した。その隙に私はケースを抱え部屋の奥へと逃げ込んだ。

「これはダメ…これはダメなの…」

「蒼海?」

「これはダメ…これはダメなの…」

「蒼海、もう大丈夫だ」

隼翔に抱きしめられ、大丈夫だ大丈夫だと体を擦られ、やっと我にかえった。

「隼翔…」

「もう大丈夫だよ?あの女は帰った。もう居ないよ」

隼翔は仕事を休んだ私を心配して訪ねて来たという。

「本当は体はなんとも無いんだろ?」

私が頷くと「隼翔はズル休みか?」と苦笑した。

「ごめん…これを作ってた。どうしても会社に迷惑かけたくなかったし、澪ちゃんにも…」

「もういいよ、分かったから。蒼海の好きな様にして良い。その代わり俺の条件も聞け」

「条件?」

隼翔はネット販売として私のブランド【miu-la-umi】を、立ち上げると言う。そして管理はジュエリーショップ【翔】の子会社として隼翔が管理するという。

「えっ?そこ迄しなくてもいい。今回のこれで終わらせる。隼翔が言ったように騒ぎになるかもしれないけど… miu-la-umiのアクセサリーは終わらせる。隼翔が言うようにほとぼりが覚めた時…その時また…違う名前で作ればいいもんね?」

「いや、それを出さなくても当分騒ぎは収まらないだろ。勿論、それを出せばそれ以上に騒ぎも続く。いくら蒼海が、もう作らないと言っても、あの女は今日みたいに現れるだろう」

あの女がまた現れる…

「だからネット販売で、誰もが何処にいても蒼海の作るアクセサリーが、買えるようにするんだ。そしたら、ネットオークションの様な事は少なくなる。蒼海は高額なオークションは望んでないだろ?それに名前にこだわったのも蒼海なりの気持ちが有るんだろ?」

「隼翔…」

隼翔は私の気持ちを分かってくれてる。