幼馴染はどこまでも俺様過保護


うちの会社は、本社と店舗の休みが違う。勿論、店舗においても各店舗によって定休日は違う。本社としては土日が休みになる。

私は今朝電話をして休みを貰った。貰ったと言うより、仮病を使って当番の匙さんに休むと伝えたのだ。

今日休めば明日明後日で3連休になる。この3連休を使って井上様のお祝いの品と、澪ちゃんの写真集の分を作ってしまおうと思ったのだ。

朝から手を休めることなく作り続け、お腹が空いたらパンを齧り、また机に向かって作る。ほとんど睡眠も取らず、黙々と作り続けた。土曜日の夕方、チャイムがなった。玄関を開ければ、あの女が立っていた。

「なんの用ですか?」

「中に入れてくれない?」

「嫌です!」

「こんな所で、今話題のアクセサリー作家miu-la-umiの事を大きな声で話しても良いのかしら?」

脅しとも取れる女の言い分に腹は立つが、誰かに聞かれて騒ぎになるのも困る。仕方なく女を部屋に上げた。

「あの話は断った筈です。これ以上私に関わらないでくれますか!?」

「そうはいかないのよ!私ちょっと借金があって困ってるの!それであんたの事、知り合いに話したらさ?いい儲け話があるって言うのよ!助けてくれないかな?」

「お断りします!」

冗談じゃない!

なんで私があんたの借金の返済を助けないといけないのよ!?

「断るとちょっとまずい事になるんだよね?」