幼馴染はどこまでも俺様過保護


隼翔は「余計な事話さなくていいから仕事の話進めろ!」と、言って掛かって来た仕事の電話に出るため席を離れた。

やっぱり隼翔忙しいんだぁ…

席を離れて行く隼翔を目で追っていると児島さんがクスッと笑った。

「蒼海さんの事は、昔から隼翔に聞いてたよ?彼奴パスケースに蒼海さんとふたりで写ってる写真を入れてたからね」

児島さんはさっき迄女性らしい声だったのに、自声なのか低い声で話し出した。

「え?私の写真を?」

児島さんは、隼翔と幼い私が写ってる写真だと言う。

「キモいでしょ?中坊が小さな女の子を『俺のお姫様』とか言って大事に持ってるの?」

私の写真を隼翔が持ってたの?
子供の頃から?

「中学の時彼奴少し荒れてたけどさ、この子だけは俺が大切にしたいからって言ってたなぁ。高校は別だったんどけど大学で再会してさ驚いてわ?まだ持ってたから」

「写真を?」

児島さんは「そう」と言って私の頭に手を置き「あの子がこんなに綺麗になってびっくりしたよ?」と微笑んだ。

大きな手…

見ためは女性だけど
なんだか
隼翔と同じ匂いがする
香水や整髪料とかの香りではなく
優しい香り…

どうして児島さんは
女性の姿をしてるんだろう

「児島さんはどうして……」

「ん?」

「…女性の格好してるんですか?」

少し間の沈黙だったが、気まずいせいだろうか、居心地の悪く、とても長く感じた。

やっぱり聞かなきゃ良かった
誰だって触れられたくない事があるのに
私はなんて無神経なんだろう
人それぞれに人生があるって
知ってるのに…

「やっぱり…変だよね?」児島さんはちょっと困った顔をした。

「いえ、変とかじゃなくて…ごめんなさい……別にどうしても聞きたい訳じゃなくて…だから話してくれなくても良いです……ただ…隼翔と同じ匂いがしたから…」

「におい?」

「はい…」

「えっ?俺臭い!?」

「ちっ違います!…なんて言うか……優しい匂い」

児島さんは少し照れたように頭を掻き「ありがとう」と言って苦笑した。