和室の襖が閉まったのと同時に、先生の小さな溜め息が聞こえた。
「大丈夫ですか?」
「あぁ…人生で一番緊張したけどな」
「一番って」
思わず笑ってしまった。
「でも、妹尾ってお母さん似なんだな。同じこと言った から」
「同じこと?」
「"嘘も方便よ"って。まさか、お義母さんから言われるとは思わなかった」
「あ…」
「そう言ってもらえて助かったけどな。学校に報告するのに、俺もお義母さんと同じこと考えてたから」
「学校にはいつ言います?」
「休み明けにするか?とりあえず、主任に報告して…それからだな」
「はい」
「泰葉ー!高橋先生!リビングで夕飯食べましょう。こっちに来てー」
リビングの方から、お母さんの大きな声が聞こえる。



