「カッコいいな、妹尾」


「え!?」

笑いながら先生が言った。

「俺の隣を譲らないっていうなら、もっと俺にかまってくれるといいんだけど」

「え?」

「妹尾が教師になってから、1回もデートしてない」

「……あ……」

私が課題に追われたりしてたからー…

「まぁ、生徒に嫉妬してもしょうがないんだけど。お互いに気をつけような、生徒との距離感」

「…はい」

「よし」

先生の大きな手が頭に置かれた。

「っと、またクセで…悪い」

「いえ…」

ぽんってされると、なぜか落ち着く。


きっと、そう感じる生徒はたくさんいると思うとー…



「…先生」


「ん?」



私はやっぱり、嫉妬してしまう。