下村は、家でそんなこと話してくれてたのか?
「あの…大丈夫ですか?」
心配して下さる、下村のお父さんに俺は言ってしまった
「実は、僕、去年から娘さんが好きでした」
その言葉に嘘は全くない。
真剣に目を見て話を続ける
「先生と生徒の壁が大きのも、12年の壁が大きのも…世間の目が凄いのも十分わかっています。
僕は、自分の気持ちに嘘をついてきました。
生徒っていう事もあり、
好きになってはダメだ。
好きではない、少し特別なだけとか…。
でも、今日娘さんが倒れた時、医師が半年しか生きれないと言われた時、側にいてやりたいと本当に思いました」
思ってる事が全部口から出て止められない
「残りわずかだと言うのであれば
その生涯を僕は娘さんと共に過ごしたいです。
思い出を作りたいです。
この気持ちに嘘なんかありません。」
涙が止まらなかった。
こんなにも好きな人がいた
自分に生涯愛せる人ができた
それが例え、半年しか生きていけない人でも
「もし、娘さんが良ければ、一緒に過ごさせてください。
お見舞いに来ます。毎日手を握ってやります。
あいつが溶けるってわかってても、雪のように何度だって固めて寄り添います。」