そんなこと思い出してたら、下村の親御さんが病室に入ってきた。
泣き叫ぶ親御さん
その後ろ姿を見る俺。
俺は下村のお父さんに呼び出されて病室を出た。
「今回は愛菜をすぐに救急車に乗せて病院へ連れてきてくれてありがとうございます」
深々と頭を下げる下村のお父さん
その深さより俺は深々と頭を下げる。
「僕が授業をその時もっていたので…」
「医者から、愛菜の病気の事きいたよ」
今にも泣き出しそうな目が俺を見つめる
「実は前から愛菜は、頭がいたいってずっと訴えてきてたんですが、愛菜は偏頭痛もちだったから頭痛薬を飲んでいたんです。
なのに…病気だったとは…」
下を向いて手を握りしめる下村のお父さんは
泣いていた。
「…愛菜からあなたの事、たまに聞いてました」
「え?」
俺のこと?なんで下村が?
「愛菜、貴方と話すようになってから関西弁になっていて
僕が、何で関西弁なんだ?って聞いたら
国語の先生が関西弁なのって笑ってました。
最初は、サイテーとか、嫌い!とか言ってた愛菜が、月が変わるたびに
西山先生と名乗るようになってまして…
妻と僕は、きっと愛菜は貴方が好きだろうと思いましたよ。」
「僕をですか…」
「突然こんな事言って申し訳ない…
ある時言ったんですよ、愛菜が。
私、西山先生みたいな人と結婚したいな〜と。
僕と妻は顔を見合わせて笑いましたよ。
そんな人が愛菜の旦那さんになったらきっと楽しいだろうなって」
「……。」
「でも、どうして西山先生みたいな人がいいんだ?って聞いてみたら
だって西山先生は、私が溶けるまで一緒にいるって冗談で言ってくれたんだよ?
溶けたらどうするの?
って聞いたら
もう1度、会えますようにって作ってくれるって!!
それ聞いた時、嬉しかったんだよね!
周りの男子が言ってても嬉しかったんだろうけど…でも、西山先生が言ってくれた時は凄く嬉しかったの!
なんて。」
涙が止まらない。


