名前も知らない男に引っ張られて

10分ほど歩いただろうか。

「さ、着いたぞー。」

「はぁ…。」

そこそこな広さの庭がある

そこそこな大きさの一軒家の前で

やっと手を話してくれた男。

表札には『斎田』と書いてある。

「…ここがアンタの家?」

「そうだぞー、それなりに大きいだろ!」

まぁ親の遺産だけどな、と笑って

門を開けて手招きをされた。

はっきり言って怪しいと思ったけど、

まだ断る理由が見つからないから

素直に一緒に中へ入った。