ヒロイン返上!!

「私とアイツが付き合うわけないでしょ?」




身を乗り出し涼に詰め寄る。

涼は苦笑いをした。




「さぁ…、どうだろうね。」


「どうだろうね…、じゃないっ!」


「まぁ美咲にその気はないんだからないんじゃない?」




涼の言葉を聞いてゆっくりと席に座る。


そう、その通り。



私にはその気がない。

それはアイツにとっても同じ。




口を尖らせると、廊下が静かになったことに気づいた。


途端に教室も静かになる。



バンッ


バンッ


バンッ



そして廊下側の窓が勢い良く女子によって開かれる。


隣のクラス、その隣のクラスもだ。





カツカツカツ




その後に微かに響く足音。


それを聞くと女子達は静かに窓に詰め寄った。




そして廊下を横切る1人の男。


この学園の王子様である、


————世川 奏也。




綺麗な黒髪を靡かせ歩いていく。


女子達は息をのんでその男を見つめた。