「ねぇっ!聞いた?まただって…、」


「ええっ!今度は誰なの?」


「隣のクラスの築山さんだって!」


「嘘っ!あの子、男子に人気じゃん!」







「はぁ。」


「んー?なになに、どうしたのかな?」




私は大きく溜息を吐くと、チラチラとこっちを見てくる女子達を見た。


もうっ!嫌だなぁ。


私とアイツが付き合うわけないでしょ。




「はぁ。」


「……、だからどうしたのー?」




声の主に視線を合わせると、不機嫌な顔で私を見ていた。


彼女は私の親友兼良き相談相手の水無瀬 涼(ミナセ リョウ)。


ショートヘアがよく似合う女の子。




そして私は藤森 美咲。



ごく普通の女子高校生だ。