同じ名前の彼と私





「あ、西野!探してたんだ」


「え?あ、登坂。なに?委員会?」



偶然にも職員室から出てきたのは、クラスメイトの登坂優馬(Tosaka Yuma)。

同じ美化委員で、最近はよく話す方。



「あー、うん。まぁそんなの。これから部活だよな?あとの方がいいっしょ?」


「すぐ終わるでしょ?いいよ。今で。

てことで陽介先行ってていーよ」


「……おう」



いつもはこういうとき冷やかしてくる癖に、今日に限ってなぜか大人しく引き下がられるとムズムズする。