同じ名前の彼と私




微かに見える耳は、寒さのせいだけでなく、紅く染まっていた。



「えと……。私、私も…陽介のこと、好き」


「え、まじで?

……あいつと付き合ってんじゃないの?あの、登坂?」


「違う。告白されたけど、断った。

そっちこそ、チャリ置き場で告られてたじゃん。あの子と付き合ったのかと思ってた」



お互い見つめ合うと、2秒もしないうちに吹き出した。