そのあとも雪乃と教室でしゃべっていたら、いつのまにか下校時刻になっていた。


「そろそろかえろー 雪乃ちゃん♪」


「あー……ごめん詩音、私彼氏と帰るわ」


彼氏。


雪乃には彼氏がいる。


いっこ上の先輩、二年生のさえない男子。


こんな奴と本気で付き合って本当に楽しいのだろうか。


私にはそんなことできない。


つまんないし、それに------私は無理だから。


一瞬、過去の出来事が頭をよぎる。


「じゃあね、また明日」


「うん、ばいばーい」


過去のことは思い出すな。


今私がやるべきことは一つ!


学校一の爽やか王子、須川君をおとすこと!