始まりと終わり



ピーンポーン。


ドアを開けると立花さんがいた。


「結香ちゃん、久しぶり。もう出れる?」


合コンの時のかしこまったスーツとは違って、


少し柔らかい雰囲気だった。


私はうなずくと、


「じゃ行こっか!」


と言って、車の方へむかった。


「今日は髪上げてるんだね。」


「変、ですか?」


夢香のことを少しだけすごいと思った。


まさかピンポイントで言われるとは。


「ううん。似合ってるよ。


あの時は全部下ろしてたから、


イメージというか雰囲気が違ってて


びっくりした。」


運転する立花さんは、それこそ本物の26歳で、


年齢偽装の私なんかじゃ到底追い付けないほど大人に見えた。