「お仕事なにされてるんですか?」


他のメンバーとは違って、立花さんはスーツだった。


「うーん…秘密。結香ちゃんは?」


秘密って…。しかもいきなりちゃん付け…?


「私ですか?


大学生3年です。」


これも合コンでよく使う私の偽プロフィールだ。


「もしかして、やばい仕事とかですか?」


「どう思う?」


立花さんがいたずらっぽく笑った。


「ちゃん付け、嫌だった?」


「いや、あ、その、別にそんなことはないです。」


全て見透かされてるようだった。


私は慌てて首をふった。


「合コンは初めて?」


「いえ、姉によく連れられて。


でも、いつも大体隣でジュース飲んでるだけです。」


「そっか。


お酒飲めないの?」


「あんまり。苦手で…。」


あんまり、というより、ただの一滴も飲んだことないけど。


「俺も飲み始めたときは苦手だったなぁ。」


と言いつつ、立花さんはもう何本か開けている。