先生と、朝食を取っていると、ドアを叩く音がした。



「はい。」



奥本先生が、返事をすると佐伯先生が入ってきた。




「おはよう。」



奥本先生がそう言うと、




「おはようございます。沙彩ちゃん。おはよう。」




「おはようございます。」




「お見舞いに来たよ。」




佐伯先生は、そう言ってから、持ってきた花束を花瓶に飾り付けた。




「可愛い。」



私は、気付いたらそう口にしていた。




「花が好きって、担任の先生から聞いたんだ。いつも、中庭の植物を世話しているって聞いて。」




「知ってたんだ…。担任の先生。」




「ちゃんと、見てる人はいるんだよ、沙彩ちゃん。」




奥本先生はそう言って、立ち上がった。




「あと少し、食べられそうかな?」




奥本先生に、尋ねられたけど私は首を横に振った。




「よく頑張ったね。朝ご飯は下げるね。とりあえず、佐伯君。沙彩ちゃんを診ていてくれ。何かあったら、すぐに呼んで。」




「分かりました。」




「沙彩ちゃん。今日は、10時から診察だから、時間になったら3階の治療室に降りてきてね。もし、1人で来るのが不安だったら看護師さんと一緒においで。


今日の担当は確か…。浅野さんだったね。浅野さんには一応声かけておくね。」




「ありがとうございます。」




「佐伯君。くれぐれもよろしくね。」




「はい。」




佐伯先生は、近くに置いてある椅子に腰を下ろした。