「沙彩ちゃん。朝ご飯の時間だよ。」



「え?」


さっきまで眠りについていた私は、目の前に出された朝ご飯を見て、朝が来たことを実感した。



「沙彩、おはよう。体調、悪くないか?」



そう言ってから、奥本先生は私の額に手を当てた。



「熱も昨日よりかは下がったみたいだな。朝ご飯の前に、体温だけ測らせて。」




「自分でできます。」




「いいから。」




そう言われ、先生に体温計を当てられた。



「食欲はどうかな?食べられそう?」



正直、昨日から食欲はあまりない。



首を横に振った。



「そっか…。私も、朝食が済んでないから一緒に食べよう。無理しないように、少しでもお腹に入れた方がいいと思うから。」




「…はい。」




先生は、そう言って微笑んだ。