そして、日曜当日────





私の家からさほど遠くない咲の家にお邪魔していて、





今、セットをしてもらっている







「んーもっとマスカラつけた方がいいかな。



あ、このバサバサのつけまでもいいね!」






いつもより気合いが入ってる咲の前に


私は自分の顔がどんな感じになっているのか分からないまま黙って座っていた。









少し不安だけど、咲に任せとけば大丈夫だよね。







なんたって、メイクは上手だし、いつでも流行りに乗ってるモデル並に可愛い咲ちゃんなんだから。





「よしっ!髪の毛も巻き終わったし、



後はバランスを整えれば⋯⋯

できた!!」







咲は腕を組みながら







「我ながらなかなかの出来栄えだね~

ま、もともとの莉心の顔がいいからなんだけどね!



原宿とかにいるギャルより全然かわいいよ!」








と言って、うんうんと何度かうなずいている。








「ありがとう!


鏡貸して貰える?見てみたい!」





「はいっ!」





先から渡された鏡に映っていたのは





髪の毛くるくるで目元がバッチリしてて




口はさくらんぼのように赤く一見別人のようにも見えるが、私自身の面影も残してある




と言ったような完璧なメイクだった。






「す⋯⋯すごい⋯⋯。」





「でしょ?


これならあいつもすぐにおちるよ!




後は家に押しかけるだけ!」







「え!?家に押しかけるの!?」






「そうだよ!そうしなくちゃあの先生に会えないじゃん!



莉心は近所なんだから家わかるでしょ?」






「わ⋯⋯分かるけど⋯


勝手に押しかけたら迷惑なんじゃ⋯⋯」








「大丈夫大丈夫!デートにでも誘って、乙女に振る舞えば一瞬でおちるよ!」





「そんな上手くいくかな⋯⋯?」





「自信もって!ほら行くよ。」






少し押し掛けるのはどうかとも思ったが咲のアツにおされて





結局、先生の家に向かうことにした。