途中、1度見たことのある家があった。
表札を見てみると鷹原って書いてある。
「着いた!!」
少し気が抜けたけど、まだ早い⋯⋯
もうすでに反応はなく、今まで寝ながら歩いてたらしいこの男をなんとかしないと
「鷹原先生!!家に着きましたよ。
せんせーい」
私は背中を揺らしながら夜だから少し控えめな声で先生にいった。
「んん⋯⋯」
寝ぼけてるみたいだけど、声に気づいたみたいで少し顔をあげる。
なんかちょっと⋯⋯
か、顔⋯近い!!!
先生を肩で支えてるから身動き取れなかったため目を軽くそらすことしかできなかった。
でも、少し気になってチラッと先生の方を見てみる
近くで見ても顔はきれいで、寝ぼけてる顔でも普通にかっこいい⋯⋯
って何いってんの私⋯⋯
急に顔が熱くなってきて、やっぱり目をそらした。
「そ、そうだ。鍵!!探さなくちゃ」
前のポケットが膨らんでいたので、
私は少しためらいながらも
ドアを開けないとこの先生をどうすることもできないので
しかたなく手であさらせてもらった。
「あ、あった!」
銀色の輪っかに車の鍵っぽいのと家の鍵が一つ、それとなんだろう⋯。
ボタンで開けられるようなのがついていた。
別の家のなのかな⋯?
先生の家は見るからにちゃんと鍵穴があったので迷わず回して開けた。

