いや、それにしてもこれは⋯⋯
完全にできあがっちゃってる⋯
「なんでこんなになるまで飲んじゃったんですか」
「今日、うちの学校の先生達で歓迎会かねた飲み会があって、ちょっと飲まされちゃってね。」
「大人の社会は大変なんですね⋯⋯」
「そうそう。いいから君も早く家に帰んな。
もう11時だよ。」
辺りはもう真っ暗で私たち以外の人影は全く見当たらなかった
帰っちゃっていいのかね⋯⋯
そんな強がってるけど⋯
「先生こそちゃんと家に帰れるんですか?」
「あんま⋯⋯大人をなめないでもらえる?
ハァハァ⋯⋯大学生の頃は酔い潰れて何してたか覚えてないのなんて当たり前だったし・・・」
こわ⋯⋯
きっとあの不良仲間の二人と一緒だったんだろうなと考えると寒気がした。
「俺の心配より自分の心配しなよ
もう、俺んち着いたし⋯⋯また明日。」
そう言って先生は顔をあげて明るかった前を指さした。
「え、⋯⋯そこ、コンビニですけど⋯⋯。」
「⋯⋯⋯え⋯⋯⋯」
コンビニって伝えてもまだパッとしなかったようでずっと前を見ていた。
こんなバカみたいな先生は初めて見たし、思いっきり吹き出しそうになったけどそれどころじゃなかった。
「あれ⋯⋯うちどこいったん⋯⋯・・・・・・」
その瞬間、先生が前にふらっと倒れそうになった。
「え⋯⋯ちょっと!!先生!?」
一応、倒れないように横から肩を支えはしたけど
大人の男の人だけあって
重い⋯⋯
このまま私が先生の家まで運ぶのは無理そう⋯⋯
先生の家がどこだかもわからないし⋯
かと言って、
「力⋯はいんねぇ⋯⋯⋯」
こんな状態の先生をここに置いとくわけにいかないし⋯。
少し悩んだけどやっぱりほっとけなかったので頑張って家まで連れていくことにした。

