そして一ヶ月近くがすぎ、学校にもクラスのみんなにも部活にも、あと先生にもだんだんと慣れてきた。
バイトのこともあの先生にしかバレてないから停学の事を心配せず毎日続けられている。
そして今日もバイト帰りの遅い時間だった⋯
前に見覚えのある人がふらふらとアスファルトの壁に寄りかかりながら歩いている。
あれは⋯⋯
「あっ⋯鷹原先生⋯⋯。」
「んーー⋯あ⋯・⋯鈴木さん⋯⋯ですか。」
先生とバイト帰りの道で会うのはこれで2度目だった⋯
でも、前の時とはどうも様子が違う⋯
「どうしたんですか?ふらふらしてますけど⋯⋯」
わざわざ聞くことでもなかったかもしれないけど、
この人にはクラスや部活でも放課後お世話になってるし、見過ごすことはできなかった。
でも最近この先生といると変な感じがするから、あまり一緒にいたくない気持ちも少しあるんだけど⋯⋯
話しかけちゃった以上仕方ない・・・
困っているのなら手を貸した方が助かるだろうし⋯⋯。
「⋯⋯別に⋯⋯
ただ酒がまわっただけだよ」
⋯⋯⋯確かに酒くさい⋯⋯。
ってなんだ⋯⋯ただの酔っぱらいですか。
調子悪いのかなって心配しただけ損した。

