結局、ぼーっとしてるうちに先生のことをガン見してしまっていた。


向こうは話に真剣で全く気づいてないけど

一応顔はそらしておこう。



「じゃあ最初なんで、名前呼んでいきますね。」


えー⋯このタイミングで⋯


確実に顔を見られるやつだ。



────石川くん

「はーい」



どうやって返事しよう⋯下向いてたらおかしいよね?



だからって目があったら、驚かれるだろうし⋯



────佐藤さん

「はい」



わっ!!もう次だ⋯


いいやっもう!



きっとなんとかなる────


多分……




「鈴木さん」



────ギクッ


「⋯⋯はい」




先生の方を見るとやはり目が合った。





そしてさっき学校で鉢合わせた時のような顔をされた。





「⋯⋯なんで⋯⋯鈴木さん⋯?」




「⋯?はい⋯?」




「あっ⋯なんでもないです


えっと次────」



いやいやいやなんでも無くないでしょ⋯

完全にアウトだよ!


なんで鈴木さん?ってまるで私が鈴木じゃないみたいになってるじゃん。



クラスの人の目線が痛いし⋯変な雰囲気になってる。



先生は何も無かったふりして続けてるけど

顔は動揺、隠しきれてないよ⋯⋯。



"担当クラスの生徒だったのかよ⋯!"

って心の声がダダ漏れてる⋯っ!!