清水茜はマイナスイオン溢れるピュアな少女と言っても過言ではない。
女子高生と言う年頃にも関わらず浮いた話は一つとして聞いたことがない。

「中村くんの事?

「好きだよ

「河谷くんの事?

「もちろん好きだよ」

ライクとラブの違いも出来ていない彼女に色恋沙汰の話など不可能だ。

ぶっちゃけて言うと、中村と茜をくっ付ける方が手っ取り早い事この上ない。
さっさと付き合って末永く爆破してくれ、マジで。

人付き合いの上手い中村と人懐っこい茜
クラス替えで席が近くなりミラクルな奇跡を起こし今の現状が生まれた。

どうしようもなく胃が痛む。

自覚した中村は周りが見て気付くほど茜に対してよそよそしくなった。
分かりやす過ぎて胸焼けがする。砂糖吐きそう。

以上の事を踏まえて、千代、さぁ考えろ!









「横暴だよ、暴君だよ、なんだよプリン見たいな顔してさァ」

「クズ、練習しろ」

相も変わらず塩対応ですねメアリー。
ちょっと位は構ってくれても良いンじゃないかなァ!

しかし、今まで生きてきた中でこンなに面白いゴシップネタは聞いたことが無い。
しかもノーフィクション!
人間辞めなくて良かった、中学の頃、病んで自殺しようと思ったからね。

板挟みされている真衣を暫く眺めるのも一興。
茜とくっ付けて彼等のハッピーエンドを作るのも苦ではない。
しかし、その後美久はどう対処しよう。

「現実は、おとぎ話の様にはならない」

キスで目覚める事も、呪いが解ける事も無く、100年後に王子が迎えに来る事もない。

運命の愛があると言うのならこの目にしかと焼き付けたいモノだ。

「メアリー、知ってる?

「同じクラスの河谷 康

「いやァあーちゃんもやってくれたね

「まるでハニートラップだよ!」

傑作等々と大爆笑
冷めた目で見られている気がするけれど気にしない。
生きてて良かった、愛しているよ世界!