「あぁ、メアリー。私の高鳴るこの鼓動、一体何だと思う」

「病気」

クーラーの効いた涼しい音楽室
千代は突然気が触れたように喋りだした
メアリーと呼ばれた少女はさして興味なさそうに冷たく言い放った

ふて腐れた千代はボソボソ言葉を溢す

「ちょっとぐらい構ってくれても・・」

なんと冷たい友人だと嘆く
退屈そうにベースを構える

「人でなし、さっさと練習しろ」

「あれ、メアリー最近私に冷たくない?」

譜面を見ながらコードの通りに引く
引きながらも考える

はっきり言って美久には協力出来ない
健気に自分の愛を貫くところは尊敬する
それならば、私たちは彼女に全てを話した方が言いと思う

しかし、

「そうしたらなァ」

彼女はきっと、童話「人魚姫」よろしく嘆きながらも泡になってしまいそう

扱いが難しい友人だ

「あァ、そう言えば後から声楽部行くからよろ」

「早めに言えバカ」


・・・・・やっぱりメアリーは私に冷たい