愛してたのはずっと前の君でした。



「変わった名前ですよね。珍しいねってよく言われます。私の祖母がつけたんですけど…でも私の祖母も……あ、」


初めて会った人に身の上話までしてしまった。


「急にペラペラとすいません…」




私がそう言うと、彼は笑った。


「いえいえ。素敵なお名前です。では、僕はこれで」


「ええ。何か困った事があれば聞いてくださいね。」


そう言って、扉を閉めようとした時。




「もし…よかったら、連絡先とか…」


少し困ったように、少し照れ臭そうに、彼は言った。



初対面で連絡先…!?


突然のこと過ぎて驚いたが、彼の真っ直ぐな瞳を私は疑うことが出来なかった。