玄関の扉をそっと開けると、
そこには優しそうに微笑むあなたがいた。
「隣に越して来たんですか?」
私がそう言うと、
「はい。越してきたばかりで、分からないことだらけですが…挨拶だけはさせて頂きたく参りました。私、マツヤと申します。」
「マツヤ…さん」
変わった名前。丁寧過ぎるほどの言葉遣い。
不思議なほどに印象に残るの人。
でも悪い人ではない…それはすぐに分かった。
「よろしくお願いしますね。」
「こちらこそ。私は佐倉 向日葵です。」
「さくら…ひまわり…」
私の名前を聞いて、彼もとても不思議そうな表情をしていた。
それもそうだ。
さくらとひまわりだなんて。
