「ねえ、アタシ聞いてんだけど?」
「えっ……と……その」
そんな……
初対面の人に言っていいのか……どうなのか……
何だか恥ずかしくなって、俯いてもじもじ。
そんなあたしに苛立ってか、智紗ちゃんはカツカツと右足を小刻みに床に打ちつけている。
「ハッキリしない女ねー?」
「す、すみません……」
……こうゆう時に限って、客も来なけりゃ店のみんなも見に来ない。
あたしってば運無さすぎー‼
「あたしは琥侑くんが好き」
「……っ!」
智紗ちゃんの直球な一言に、あたしは目を丸くして彼女の顔を見上げる。
……ラ、ライバル登場!?


