――チクッ
こんな些細な二人の仕草さえも、あたしの胸は痛む。
……好きな人が彼女とじゃれ合っている所なんか見て、嬉しくなる奴なんていない。
「ちげーよ、智紗(チサ)はただの幼馴染」
「えっ」
お……ぉさ……?
キョトンとしているあたしに、琥侑は呆れたようにため息をこぼす。
「コイツ俺んちの隣の家に住んでんだよ」
「で、でも!この間駅で歩いてたじゃん……」
そんな遠くまで、単なる幼馴染と遊びに行く?
「それは智紗がオープンスクール行くから、親たちに連れてけって言われたんだよ」
……そう言えば、
あの時のアジアンちゃん制服着てた……。
「じゃぁ……」
「……やっと解った?」
そうだったんだ。
あたしてっきりアジアンちゃんが彼女だと……


