数分後、琥侑はあたしを追いかけてきた時と同じように息を切らして戻ってきた。
手にはさっき持っていなかった、コンビニのビニール袋を持っている。
コイツ……
こんな時にのん気に買い物行ってたの……!?
あたしが怒りに震えていると突然、膝に激痛が走った。
「ったぁあぁああぁぁあッッ!?」
「うっせぇ‼消毒してやってんだから黙って我慢しろ!」
琥侑は負けじと声を荒げ、あたしを静める。
さっきまでビニール袋を持っていた手には、いつの間にか消毒液が……。
……そっか、その為に琥侑はコンビニに行ってくれてたんだ。
疑っちゃって悪かったな……。
「ごめんね……」
「あ?別に。転んだんだからしょうがねえだろ」
疑った事に謝ったのに、琥侑は手当てしてもらってる事に謝ったんだと解釈したみたい。
「まだ痛むか?」
「ううん。大丈夫……」
消毒液で膝がズキズキと痛むけど、こんなに良くしてくれている琥侑に気を遣って必死で我慢した。


