高校生になってから全力で走っていなかったせいか、それとも単に運動オンチなだけなのか……
足がもつれて、何も無い所でこけてしまった。
「……っ」
ズキンズキンと痛む膝からは、血が滲んでいる。
「いったぁ~……」
何も無い所でこけてしまった事と、高校生にもなって膝に怪我してしまった事に恥ずかしさを覚えた。
……今頃、琥侑は彼女さんとデートかな?
ていうか、意味も無く全速力で走っちゃったアタシってどうなのよ……
史上最強のバカ?
救いようの無いアホ?
どっちでもいいけど……
惨めだってことは確かだよね。
「ゔ……ッ」
恥ずかしさと淋しさが一気にやってきて喉の奥がギュッと詰まる。
……ヤバい
泣きそうなんですけど……
眼の周りを隠そうとした手のひらはアスファルトと擦れて、血は出て無くてもヒリヒリしている。
もう……いや……


