「な゙ッ!?」
何ソレーーー‼‼
怒りのあまり、スマホを持つ手が小刻みに震えだす。
あたし間に合うようにって頑張ったのに……
メイクなんか手抜きで出てきたっていうのに……
「ゆっちの大バカ者め……」
こんな気分で街へホイホイ行けるはずもなく、あたしは家へ帰ろうと回れ右をした。
すると偶然か、琥侑の姿が。
珍しい……
琥侑の家ってあたしんちと反対方向だったはずなのに。
そしてあたしは、琥侑の隣の存在に気付いてしまった。
「あ……」
……まるで、世界がモノクロに変化したように、二人はくっきりとあたしの瞳の中に入りこんだ。


