だから、お前はほっとけねぇんだよ


ランチタイム中、ゆっちが何気なく持ちかけた噂話。

この時まで、噂を全く知らなかったあたしは驚きを隠せなかった。



「そう、何かウチのクラスの子が佐賀里くんが女の子と歩いてるの駅で見たんだって」


「それ……誰から聞いたの?」


「ん~、マリカちゃんだけど?」



マリカちゃんとは、前にあたしをハブってたグループのリーダー的存在。


今ではあたしが好きでもない琥侑とくっつく事を、物凄く応援している。



……ハッキリ言って、何考えてるのか解らない信用できない人物。



まさか……

気が変わって、ガセネタ流してんじゃないでしょうね?



「まあ、信じるも信じないも人それぞれだよね」



ゆっちが、どう思ってそう言ったのかは解らない。

だから、あたしはあいまいな返事を返した。



「まぁ……そうだね」





……噂を流しているのがマリカちゃんだというのもあり、この時のあたしは噂を全く信じてなかった。