だから、お前はほっとけねぇんだよ


「良かったな」


…………
……へ?



「な、何で?」


「あ?だからお前が思ってたような悪い状態にならなくてよかったな、って言ってんだよ」



早口で苛立ったように言う琥侑。


……照れてるのかな?

少し頬が紅くなっている。



「ぅ、うん……良かった」



……初めて琥侑の照れてる顔を見たから?

胸がギュってなって、少し苦しい。



それ以上、琥侑は何も喋らなくなったので、あたしも何も話さなかった。















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もう梅雨本番な6月中旬。

クラスで、ひとつの噂が流れた。




「琥侑に……彼女?」