「……え?」
「だから、喧嘩の原因は何なの?って聞いてんの!」
「それはー……」
『大好きななっちゃんがゆっちを好きなので、諦めるだの諦めないだの言い合ったから☆』
なんて……
言える訳ねーだろ‼
「あ、えっと……その……」
「ん?言ってごらん?」
こんなにもにこやかで聞く気満々な彼女をどう誤魔化せばいいんでしょう?
あたしにはもう全く分かりません……
「べ、別に大した内容じゃないから!」
「え~ホントに?そんな風には見えないけど」
「や、ホントホント」
「も~素直に話しなって!」
「~~っ」
わーん。どうしよう~~
このままじゃアタシが白状しちゃいそう
「おい」
あたしの気持ちがそろそろ折れそうな時、救いの声が頭上から舞い降りた。
……ん?
救いの声っていうか……悪魔の囁き?
「こ、こう……」
あたしはゆっくりと琥侑に視線を移す。
彼の表情はいつになく不機嫌。
まるで顔が不機嫌でできているかのように分かりやすい。
もしかしたらゆっちにアタシの気持ちを言うつもりでは!?
「奥西、あのさぁ……」
これは、今度こそ大ピンチかもしれない……


