翌日からあたしは一切琥侑と話をしなくなった。
琥侑もカバンを投げたことを根に持ってか、見るからに不機嫌な表情で毎日を過ごしている。
きっと今、琥侑と話すと気持ちが止められなくなる。
変に足掻いて、ゆっちとの友情もなっちゃんとの関係も変わってしまう。
……そんな事には、なりたくない。
「姫瑚さー、佐賀里くんと喧嘩でもした?」
「ぶふぅッッ‼」
ランチタイム中、唐突にゆっちが聞いてきた。
彼女があまりにもサラリと言うので、あたしは驚いて飲んでいた苺ミルクをふき出しそうになる。
寸止めで堪えたので、あたしのお弁当は大事に至らずに済んだ。
「姫ー瑚ぉ~~」
「ご、ごめん‼」
あ、危なかったぁ……
…………って‼
「何でわかったの!」
「え~?親友の勘だよ」
何だソレは。
あたしはゆっちの返答の気の抜けように、苦笑する。
「今度はどーしたの?」


