「あれ?ヒメちゃんじゃないか!」
その声と共に厨房から顔を見せたのは、琥侑のお父さんの俊太さん。
「あ……、俊太さんこんばんは」
「こんばんはー、久しぶりだねー!」
俊太さんは理英子さんと同様、満面の笑みであたしに近づいてくる。
「琥侑に用があって来たの?」
「はい。琥侑はどこに……?」
俊太さんにそう言いながら、あたしは遠慮がちに店内を見回す。
……ここには琥侑は居ないみたい。
家の方に居るのかな?
「あーごめんね。まだ帰って来てないんだよ」
「は?」
でも、琥侑はあたしより先に教室出てったのに……。
「そうですか……じゃあ、あたし帰ります」
「あ、ちょっと待って」
ドアへと足を運ぼうとすると、俊太さんがあたしの腕を掴んでそれを阻止した。
「ヒメちゃんに話があるんだけど……いいかな?」


