淋しいに決まってる。


苦しいほど、こんなに大好きな相手が遠くに行ってしまうのを悲しまないわけがない。



だけど……



『フランス……行って来てよ』


あたしはあの日決めたんだ。


琥侑の夢を応援する。

あたしを好きだって言ってくれた琥侑のために、あたしだって琥侑の夢のために頑張るって。



だから淋しくったってもう迷わない。


だってこれは……

あたしがあの日誓った事だから。






♪~♪~♪~♪


電車を降りて、独りで家路をぽつぽつ歩いていると不意に電話が鳴り出した。

……琥侑からだ。



「……はい」


『あ、俺だけど』



……知ってるけど。



「どうしたの?」


『お前さー今日奥西と買い物行ったんだよな?』



何でこんな質問してくるのか良くわからないまま、「うん」とあたしは呟いた。



『ちゃんと帰れたか?』