「ない」
「は?」
あたしはゆっくりと頭をあげて、顔をゆがめている琥侑を見つめる。
「しおりがない!あれにはホテルの住所書いてあったのに‼」
きっとホテルに置きっぱだったんだ。
どうしよ……
このままじゃアタシたち帰れないよっ‼‼
「どうしよう琥侑ー」
半ベソ状態で琥侑を見上げると、琥侑は意外にも冷静な表情をしている。
「何であんたは冷静でいられんのよ……もしかしてしおり持ってるわけ?」
「いや、持ってねーけど」
えー?
結局ダメじゃん。
「もーいい、ゆっちに電話して聞いてみる」
あたしは口を尖らせながら、鞄からスマホを取り出す。
そしてゆっちへ電話を掛けようとした
その時。


