「おーい……君たちー」
ん……?
ゆっくり、声のする方へ振り向いた。
そこには……
「仲良くしてるところ悪いんだけど……早くどいてくれないかな?」
ポッと頬を紅く染めた中年夫婦と、後ろにはニヤニヤ顔の修学旅行生。
「っ‼す、すみませんッッッ‼‼」
あたしは恥ずかしくて、ボカッと琥侑の後頭部を叩いた後、そそくさとどいた。
あたしの後に続き、あたしに叩かれた後頭部を触りながらゆっくりそこからどいた琥侑。
「神社の前でチューとか……すごいねあの子達」
「ていうか、彼氏の方めっちゃ格好良くなかった!?」
「思ったー」
おーい
丸聞こえなんですけどぉー
ギャーギャーと、やたらうるさい修学旅行生。
そんな修学旅行生の話を無視し、あたしたちはお守りを売っている場所へ向かった。


