……へ?
「何でよ」
あたしがそう言うと、琥侑は呆れたように深い溜息を吐いた。
「……名所には学校の奴らがいるだろ?俺らが別行動してるの見つかったらヤバイから」
「あ」
そっか、そうだよね。
生徒だったらまだしも、先生に見つかったらヤバイよね。
連れ戻されて即アウトじゃん。
なのにあたしったら『清水行きたい』とか言って……思いっ切り名所だし。
「ごめん……」
……考えなしに言った一言を、ちょっと反省したあたしは琥侑に謝った。
「……で、どこ行く?」
「え……っと」
琥侑が持っている旅行雑誌を覗き、あたしは迷う。
……実は言うとメジャーなスポットしかチェックしてなかったあたし。
だから京都の穴場スポットは、全くと言って良いほど分からない。
「あ、ここ‼ここ行きたい‼‼」
どうにかして早く決めてやろうと思い、目に留まった場所を適当に指差した。


