「こ、琥侑の手おっきくない?」
あたしは緊張してることがバレてほしくなくて、平常心を装って琥侑に話しかけた。
「……ヒメの手がちっさいだけじゃね?」
「そ、そーかな……?」
そんな事、誰にも言われた事ないけど……。
あたしは握られていない方の手を見て、自分の手のサイズを確認してみる。
「やっぱり小さくないって、ほら」
手を“パー”にして琥侑に見せる。
すると琥侑はクスリと笑った。
「何もそこまで気にしなくても……」
「んなー!こーゆうことは大事でしょ!?」
あたしはベーッと琥侑に向けて舌を出し、すぐさま顔を逸らした。
……それからしばらく無言が続き、校門まで来た時にあたしは思い切って聞いてみた。
「ねぇ……」
「あ?何?」
あたしの方を向く琥侑。
「さっきあの子達に怒ったのってあたしの為なの?」


