「うん、アタシだけど。……どうしたの琥侑?」
ついさっきまで寝ていた人物……琥侑にあたしは首を傾げた。
琥侑はというと、まだ寝ぼけているようで目が虚ろだ。
「……お前待ってた」
「へ?」
あたしを?
でも、琥侑あたしに怒ってたくせに……
何で?
「……ごめんな?今日あんな事言って……」
そう言って、琥侑は優しい手付きであたしの髪を触った。
……あんなこと?
もしかして俺のこと信用できないとか、どうとか言ってたヤツ?
「何で琥侑が謝るの?あれはあたしが悪いじゃん」
「は?そうなのか?」
「そうだよ」
その時だった。
「――……あの子が佐賀里くんの?」
「……へー意外……」
……ふいに周りの声があたしの耳に入った。


