トボトボと重たい足取りで教室から出ようとすると、廊下からざわつく声が聞こえた。
何だろうと思い、そのざわつく方向に意識を集中させる。
……教室から出る人みんな、ドアの右側をチラッと見て出て行っている。
えー?
何があるわけ??
興味津々になりながら、あたしもみんなと同じようにドアの右側をチラ見した。
「……あれ?」
そこにはあたしの知っているある人物がいた。
その人物、壁にもたれながらしゃがんで眠っていて、カクンカクンと揺れる頭がやたら気になる。
あたしはサッとその人物の前にしゃがみ、ぺちぺちと頬を軽く叩いた。
「おーい、起きてー」
「……ん」
少しだけ顔を歪めて、微かに目を開く。
「ヒメ……?」


