「フラれちゃった。彼女が居るんだって」
美人女子は淋しげに笑った。
「それで……アンタ何か言ったの……?」
気まずそうに途切れ途切れで話す片方の女子。
「うん……聞いてみたの。“彼女のどこが好きなの?”って」
「そしたら……?」
「“言っても良いけど絶対後悔するよ?”だって」
……その時の琥侑の顔が、言われなくてもわかった。
きっといつもみたいに小バカにしたような笑いじゃなくって、優しい笑顔。
――ガララッ
そのとき前のドアが開き、先生がやってきた。
「みんな集まってるかー?」
あたしは重たい体をゆっくりと起こした。


