あっという間にHRも終わり、とうとう居残り勉強の時間に。
あたしは琥侑から逃げるように、そそくさと教室を後にした。
そして向かったのは、居残り勉強がある教室へ……。
「ふぅ……」
教室に着いたあたしは、迷うことなく一番後ろの端を陣取り、速攻うつ伏せた。
もー……
居残り勉強といい、琥侑の誤解といい、新学期早々問題が山積みだよ。
とにかく、琥侑の機嫌をなんとかしなきゃ……。
「えー‼マジなの!?」
「っ!?」
甲高い声とともに登場してきた違うクラスの女子2人。
そのあまりの声の大きさに、あたしは思わず顔を上げてしまった。
ちょうど甲高い声を出した女子の隣に居た子と目が合う。
あ、やば……。
しまった、と思いあたしはすぐさまうつ伏せる。
「もー声大きいから」
さっき目が合った子が、小声でもう一人の女子にそう言った。
……どうやら何とかなったみたい。
……ていうか、
めっちゃ美人じゃなかった?


