「ちが……あたしはただ」
「別に言い訳しなくてもいいよ」
不機嫌になってしまった琥侑は、あたしの言葉を止めるようにドカンと乱暴に座る。
あたしはその音に驚いて、話すタイミングを失ってしまった。
……確かめたいとか、
そんなんじゃないよ。
あたしは琥侑につり合うほど美人でもないし……
かといって、それでも堂々と居られるほど強くないし……
こんなあたしをこのまま琥侑は好きでいてくれるのかなって。
ただ……不安なだけなんだよ。
――キーンコーンカーンコーン……♪
「おーい、早く座れよー」
予鈴が鳴り、担任が来る。
そのせいで琥侑への誤解が解けぬまま、放課後のHRが始まってしまった。
「…………」
HRの途中、横目で琥侑を見てみると頬杖付いて担任をただジッと見ている。
琥侑……
何であんな事言ったんだろ……。
あたしはそんなことを思いながら、ボンヤリとHRを過ごした。


