「あ、佐賀里くん帰ってきた」
ゆっちの目線の先には、確かに琥侑の姿が。
だるそうに欠伸をしながら、こちらに向かってくる。
「~~~~ッ琥侑‼‼」
居ても立っても居られなくなり、あたしは琥侑に駆け寄る。
そんなあたしの行動に、琥侑は少しだけ目を見開いた。
「……何、どしたの」
「どしたのじゃないよ‼誰に告られたの!?どうやって返事したの!?ねーーーえーー‼‼」
そう言いながら、琥侑の肩をブンブン揺さぶる。
「っちょ……落ち着け」
「……あ、ごめん……」
苦しそうな表情を浮かべる琥侑に、ハッと我に返った。
「何でそんな事聞くわけ?」
「へ?」
あたしは琥侑の言葉にポカンと口を広げた。
「告られた相手とか……何で聞くわけ?」
「そ、それは……」
あたしが言葉に迷っていると、琥侑は口を開いた。
「……わかった。ヒメは俺が信じられないわけだ?」


